Source:Best Coffee > News Author:Best Coffee Published:2019-09-18 14:59:34
一段式 | 二刀流/一刀流(蒸らしなし)
蒸らしの後、「の」の字を描くように中央から外側へと絶え間なく注水を往復させ、サーバーが予定量のコーヒー量に達するまで続ける。この方法の特徴は、ドリッパー内でコーヒー粉を継続的に浸漬・濾過させながら、前・中・後段の成分を途切れることなく抽出していく点にあり、フレーバーと口当たりのバランスが良い。酸味と爽やかさを強調したい場合は抽出中のドリッパー内の最高水位を高めに、香りとコクを好む場合は最高水位を低めにするとよい。酸味と香りの柔らかな中南米産の豆に適している。

ハンドドリップのコツとして注意したいのは、一気に注水し切るため、あらかじめドリッパー内の最高水位の高さを決めておくことと、素早く湯量(水流の太さ)を調整することである。水位が予定の高さを超えたり、ドリッパーの壁に当たったりすると、コーヒーの口当たりが薄くなったり水っぽさが出たりする原因になる。
抽出パラメータの推奨:
水温:90℃
粒度:3〜4(小飛鷹または小飛馬、およそ一般的なグラニュー糖の細かさ)
粉水比:15〜17g、サーバー抽出量200〜250g(1:14〜15)
抽出時間:1.5〜3分
三段式 | 三刀流/アカデミック派
一段式を調整したもので、蒸らしの後を3段階の注水に変え、途中で2回の「湯切り」を挟むことで前・中・後段のフレーバーの比重を調整する。層状感(レイヤー)が際立ち、一段式に比べて調整の幅が広く、さまざまな焙煎度や産地のコーヒー豆に適している。

「湯切り」とは注水を中断し、ドリッパー内の液面が下がるのを待つ手法で、抽出時間を延ばしフレーバー成分の抽出を増やすことができる。したがって、1段目の注水量を増やして湯切り後の2・3段目の注水を減らせば前・中段のフレーバーが際立ち、逆に1段目の注水を減らして湯切り後に中・後段の注水を増やせば厚みのある口当たりを表現できる。
抽出パラメータの推奨:
一段式と同じ。湯切りにより抽出時間は長くなる
撹拌法
Matt Pergerが2012年のWBrC世界抽出選手権で用いて優勝した手法。コーヒー粉をエスプレッソ粉よりやや粗い粒度に挽き、蒸らしの段階で撹拌棒を使って水とコーヒー粉を十分に混ぜ合わせ、前段のフレーバーを素早く抽出するとともに水を「飽和」させる。その後、あらかじめ決めた粉水比の水量を段階的に注ぎ、大きな水流で水位を押し上げて濾過速度を速め、結果として希釈の働きを生む。極細挽きと高温抽出のため、酸味の明るい高品質なアフリカ産または中南米産の豆に適している。

水を「飽和」させるとは、極細挽きと高温の湯による抽出に撹拌を加えて前段のフレーバーを水に速やかに溶かし出し、水のフレーバー成分に対する溶解を飽和に近づけて後段へ抽出されにくくすることで、前段のフレーバーを増幅させることである。ただしコーヒー豆に欠点があれば、それも同時に増幅される。
抽出パラメータの推奨:
水温:95℃
粒度:高性能グラインダーの入手が難しいため、小飛鷹・小飛馬ではそのまま1で挽く
粉水比:12g、総注水量200g(約1:16)
抽出時間:約2分20秒
手順:50gの湯を注ぐ→十文字に均一に撹拌→30秒目に50gの湯を注ぐ→60秒目に100gの湯を注ぐ→約2分20秒で抽出終了
点滴式
すなわち日本式の河野式またはKO̅NO式。蒸らしの段階を水滴の点滴方式に変え、粉層の中心を濡らすことで水流の乱れや撹拌の不安定さを抑え、蒸らしの効果を大幅に延長する。コーヒー液が水滴から「水流」として流れ出したら、小水流で狭い範囲を抽出する方式に切り替え、最終段階ではやや大きめの水流で粉層の泡や不純物をドリッパー上層へ押し上げ、サーバーのコーヒー液に落ちないようにする。低酸味でコクのある味を好む日本向けに合わせた手法で、酸味の少ないスマトラ産や中南米産の中深煎り豆に適している。

従来の蒸らしを点滴注水に置き換え、その過程で水滴がごく低い撹拌でコーヒー粉を浸潤させながら中・後段のフレーバー成分を引き出し、後半2段の注水時の抽出を速める。フレーバーは豊かで厚みがあり、ハンドドリップのコツは蒸らし段階の点滴手法の安定性と、注水方式を切り替えるタイミングの判断にある。
抽出パラメータの推奨:
水温:88℃
粒度:3〜4
粉水比:24g、サーバー抽出量240g(1:10)
抽出時間:5〜10分
金沢式
もう一つの点滴式ハンドドリップ技法。一般の蒸らしより少ない湯量で蒸らし、コーヒー粉が膨らまなくなったら、粉層の中心に定点で蜻蛉返りのように点滴注水し、コーヒー液が「水滴」として落ちてきたら「の」の字を描くように円を描いて点滴する。最後にコーヒー液が「水流」として流れ出したら通常の水流で注水し、サーバーが80gのコーヒー液に達したら抽出を終える。前・中段のやや高濃度のフレーバーを残し、飲む前に160gの湯を加えて層を広げる。点滴式に比べてフレーバーは爽やかでありながら丸みを失わない。日本発祥であり中深煎り豆に適するが、前・中段抽出の特性から酸味と香りの明るいアフリカ産の豆も試せる。ハンドドリップ技法の要点は点滴式と同じく、安定した点滴手法と注水を切り替えるタイミングの判断が必要である。

抽出パラメータの推奨:
水温:88℃
粒度:3〜4
粉水比:24g、サーバー抽出量80g、飲む前に160gの湯を加える
抽出時間:3〜5分
四六法
2016年のWBrCでTetsu Kasuyaが使用して優勝した。コンセプトは、誰でもこの方法で美味しいコーヒーを淹れられること。蒸らしを含めて計5回の注水を行い、最初の2回でコーヒー豆の前半40%のフレーバーの酸味と甘味の比率を調整し、後の3回の注水で後半60%の口当たりの強さを調整する。変動要素がシンプルで安定しており、コントロール性が高いため、さまざまな産地のコーヒー豆に適している。前半40%のフレーバー調整という特性から、酸味のある豆や穏やかな酸味のアフリカ、中南米の豆にもおすすめだ。

それほど高度な湯量コントロールは必要なく、毎回の抽出時に安定した状態を保つことだけが求められる。シンプルな電子スケールと時間管理があれば操作できる。前半40%のフレーバー調整では、酸味を強めたい場合は1回目の注水を増やして2回目を減らし、甘味を強めたい場合は1回目を減らして2回目を増やす。後半60%の口当たり調整では、軽めにしたい場合は3回の注水を2回に減らし、重厚にしたい場合は4回に増やす。
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